せかいのこと
2020.12.30

スペインの年越しは生ハムと12粒のぶどうで

スペインのサグラダファミリア
(読了時間 : 3分)

スペインで過ごす大みそかからお正月

年末のスペインを訪れたのはもう10年以上前のこと。年が明けて到着したバルセロナでは、未完の(いまでも未完ですが)サグラダファミリアを見学しました。

欧米のクリスマスホリデーは12月26日まで、元日は休日であとはカレンダー通りという国が多いようです。ですから、日本人の年末休暇には、海外の美術館などを含む公共施設や観光地は開いているので、旅行するのにはいい時期です。

バルセロナのカタルーニャ音楽堂

ヨーロッパ各国の年明けのイベントと言えば、ニューイヤーコンサート。バルセロナでは毎年カタルーニャ音楽堂で開催されています。当日券を買って鑑賞に行きました。ヨハンシュトラウスの明るく元気が出る曲が華やかで、いかにも年始らしいプログラムでした。そして、ガウディと同年代に活躍したモンタネールの建築も圧巻です。

豚肉を使った生ハムは発酵食品。でも「生」って?

スペインで生ハムがつるしてある様子

さて、バルセロナの台所ボケリア市場に出かけてみると、こんな風においしそうな生ハムがぶら下がっていました。日本でもスライスされてパックに入った生ハムならスーパーマーケットで買えますが、これだけ立派な豚のモモ肉の骨付き塊はなかなか目にしませんよね。

スペインのレストランやバルでは、生ハムは前菜の定番。ハモン・セラーノが、こんな風に無造作に(またはそう見えるように)皿にたっぷり乗っています。柔らかで香りのいい赤身に、脂身の甘みが一緒になって口の中に広がります。チーズは羊乳のマンチェゴ。ほんのり羊っぽい香りもしますが食べやすいタイプです。

スペインの生ハム

さて、「生ハム」ですが、「生」というのは火を入れないということのようです。大きな塊のモモ肉を、まずは塩をベースとした液体に漬けて、それを乾燥させます。その後、低い温度で燻製にします。この工程で、肉の発酵が進みます。

微生物である乳酸菌が豚肉のタンパク質からアミノ酸や乳酸を生成して旨味が生まれ、さらに燻製でもスモーキーな香りが追加されておいしくなるということなんですね。

大みそかに12粒のぶどうを食べてお祝い

スペインで食べる年越しのぶどう12粒

さて、スペインでは、ぶどうを12粒食べるのが大みそかの年越しの習慣です。年越しそばのようなものだともいわれます。大みそかに入ったレストランで、赤ワインにチーズに生ハムを食べ、食後には袋に入った12粒のぶどうが配られました。

新年を迎えた12時の鐘が鳴ると、それまでおしゃべりでワイワイしていた人たちが皆ぶどうを食べるためにどこでも10秒ほど静かになると言われていますが、それは大げさかもしれません。でも、来るべき12カ月を幸せに過ごすことを祈って、12粒のぶどうを、みんな楽しそうに食べていて、新年の幸せを願う気持ちは世界中同じなんだなと感じました。

(All photos by Atsushi Ishiguro)

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「旅・写真・ごはん」をテーマに、世界中のおいしいものを食べ歩き、食文化を写真に収め、日本で再現してみんなと食べることをライフワークにしている「旅行家・写真家・食事家」です。KOSMOSTのコラムでは、これまで旅先で食べてきた発酵食品を、皆さんと一緒に楽しみたいと思います。-------- Q. 微生物とともに生きるライフスタイル」で大切にしていることは? → A. おいしい発酵食品を、おいしくいただいています。

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