おいしい食材がそろう秋は、食欲の秋。この季節に大切という肺と腸を整えるためには、どんな食材をとればよいのでしょうか? ホリスティック・ウェルネス・アドバイザーである星宏美さんが、薬膳的に秋にふさわしい食材を紹介してくれます。
身近な薬膳食材で秋を快適に
「薬膳」とは、中国の伝統的な医学である中医学の考え方をもとにした、その人の体質に合わせた美味しい食事のことを言います。
今回は、薬膳的に、秋にはどういった食材をとればいいのか?というお話をしていこうと思います。秋は乾燥が強く、それにともなって影響するのが【肺】と【大腸】。これらをサポートする食材をご紹介していきます。
薬膳の食材というと、「特別な食べ物」「薬的な食材」というイメージをお持ちの方もいると思います。ですが、日ごろ目にする食べ物すべてが薬膳だと考えてください。スーパーで目にする食べ物に、薬膳の効能があるんですね。だから、すごく特別なものでもなくて、とても身近なものです。
◎咳や肺の乾燥を感じやすいときにオススメ
山芋、蜂蜜、アーモンド、オリーブ、甜杏仁(杏仁豆腐などに使われています)、白きくらげ、百合根、レンコン、梨、バナナ、リンゴ など
秋は乾燥が強くなる季節なので、咳や呼吸に関係する肺が乾燥する、という感じを持つ方も多いかと思います。
上記の食材は、肺をうるおしてくれたり、気管によいとされている食材です。肺の乾燥を感じるときには、炒め物をオリーブオイルにしてみることや、おやつにアーモンドが入ったものをとるなどオススメです。
◎からだの中が乾燥を感じるときにオススメ
冬瓜、豆腐、豆乳、レンコン、いちじく、梨、ヨーグルト など
肌の乾燥を感じたり、関節がミシミシする感じがあったり、体の中から乾燥を感じる時、ありますね。
その際は上記の食材を意識してとってみましょう。豆乳が苦手な方は、鍋やシチューを作る際に、豆乳を加えるなどしてみましょう。
◎腸の働きを高めるのにオススメ
蜂蜜、アーモンド、白ごま、甜杏仁、ごぼう、アロエ、マッシュルーム、たけのこ、バナナ、ヨーグルト、ごま油 など
前回お話した様に、肺と大腸は仲良しな関係。肺が乾燥を感じれば、大腸も影響して便秘しやすい状態になります。不要なものを外に出す役割をもつ大腸。いらないものを体に貯めこまないためにも、腸の働きをよくする上記の食材をとってみましょう。
便秘気味の際は、アロエ入りのヨーグルト、バナナ入りのヨーグルトに変えてみる。おにぎりに白ごまを加えてみるなど、工夫してみてはいかがですか?
何か手の込んだ難しいことをするのではなく、いつものご飯に、上記の食材をプラスしてみたり、炒める油を変えてみるところからはじめるのが、負担なく楽しくつづけていけるコツです。自分で作ることができないときは、お惣菜に上記の食材が含まれているものを選ぶだけでも、いいと思います。
自分のできるところから、手軽に薬膳を楽しんでみてくださいね。