うつくしきこと
2021.07.28

藍が織りなす”発酵”いろいろ ~人と自然と~ 神田藍日記7月

藍・発酵・藍染・神田藍愛
(読了時間 : 4分)

「微生物」は、古くから暮らしに関わり深いパートナーです。実は、伝統的な染色である「藍」にも関係しています。その「藍」を、東京神田のビル街で育て、子供たちと染色するなど学び楽しむプロジェクトがはじまっています。今回、プロジェクトを推進する一般社団法人「遊心」代表理事の峯岸由美子さんに、フォト日記を寄稿いただきます。“都会で藍を育てるプロジェクト”を通じてみえてくることが、たくさんあるようです。

 

> 関連コラム:藍が育む「自然と人間と地域の発酵関係」とは? ~神田藍プロジェクトその1

> 関連コラム:日本の美と微生物 1「ジャパン・ブルー 藍のはじまり」

 

【2021年7月某日】

遊心の峯岸由美子です。はじめまして。

自然にまつわる仕事をはじめて約30年、都市部の子育て家庭のために、身近な自然の様々な生き物と、ヒトが暮らす生活の場とをむすぶ活動をはじめて10年以上になります。この活動でご縁をいただいた、東京の神田地域にあるビル屋上をお借りして、3月から、地元の方々と「藍」を育てるプロジェクトがはじまりました。

7月は、藍の葉が濃い緑となってぐんぐん成長する季節です。数か月前の発芽の時には、その小さな葉を見て歓声をあげました。成長して間引き風通しを良くし、土を足し葉の手入れをしたりしながら、ちょうど最初の刈り取りをしたところです。この葉を天日干しし乾燥させて染めの原料にします。

 

藍・発酵・神田・神田藍の会・微生物とよく暮らす・自然

 

都会の屋上は、カンカン照りであれば、あっという間に土は干上がり、雨が降れば、あっという間に水浸しになります。ビル風が強ければ苗が倒れて、、、。こんなふうに、毎日空を見上げ、天候にハラハラする毎日です。でも、屋上であっても、土があり、葉が茂ると、そこにはハチやチョウ、ハムシやテントウムシがやってきますし、いつもの間にかアリやダンゴムシ、ミミズまでいます。コガネムシの幼虫が育つこともあります。これらを狙って、鳥がやってくることもあるんです。

 

虫・自然・都会の屋上

 

土や植物に触れるとリラックス効果があるなどと、昨今は言われていますね。ただ、都会の企業で働くお一人お一人が、1日の中で実際に土に触れる時間や機会がどのくらいあるでしょうか。また都会の子育て家庭では、土は汚れて、きたないものと思う方も実際には少なくありません。これは日常生活で土に触れるタイミングが少ないこともありますが、単純にイメージによることもあります。

都会の自然は大自然ではないかもしれませんが、小さなひとつひとつの中にも、土があり、そこに生き物がいます。公園の砂場で、砂ではない地面の土をそっと手で触ってみると、暖かい場所、冷たい場所があるのがわかります。硬いところも、柔らかいところもあります。落ち葉をめくるとフワッと匂いがするかもしれません。この五感を刺激する体験が、私たちをリラックスさせる効果があるのです。

 

都会の自然・子ども

 

皆さんが手に取った落ち葉は、どの木から落ちてきたでしょうか?

その木には花が咲き、実がついているかもしれません。それらが地面に落ちると、今度は、子どもたちが大好きなダンゴムシなどの生き物がそれを分解し、フンにして土に還していきます。

土の中ではさらに小さな微生物たちが、栄養豊かな土に変えていき、その栄養を取って、また草花や木々が大きくなっていきます。

その草木に虫や鳥が寄ってきて、小さいながらも食物連鎖のピラミッドができあがっていきます。

もちろん雨や太陽や風の影響もうけ、土が冷たかったり暖かかったりし、より活発に分解が進んでいきます。私たちの足元、土の上に置いたその右足の下で、そういった営みが絶え間なく続いています。

 

自然・落ち葉・実・食物連鎖・微生物

 

足元の地面に様々な「生命」が息づいていることは、「汚い」ことではありません。私たち人もまたその循環の中にいることを教えてくれる、不思議で面白く、また大切なことなのだと私は思っています。私たちの体の中を血液が循環し、私たちが生きているのと同じように、自然の中でも、小さな微生物から大きな生き物までが息づいていて、それらが循環しています。

 

緑・森・腐敗と再生・生命

 

緑豊かな森では、50年、100年をひとつの単位として、腐敗と再生を繰り返し、生命が息づいています。都会でも、期間はもっと短く、場所は小さいかもしれませんが、同じことを体感できるものです。

 

東京・神田のビル街ではじまった藍も、小さな屋上コンテナの中で、そうやって今日も育っています。

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