親子で悩んでいてもなかなか話題にしにくい「子供のウンチ問題」について、ホリスティック・ウェルネス・アドバイザー、星宏美さんの新しい連載コラムがはじまりました。KOSMOSTらしく腸内環境などの話題も交え、実体験をもとに何回かのシリーズで語ります。今回は、成長期の女の子についてのおなか問題です。
トイレにこもる時間が長い
我が家には小学校6年生の娘と2つ下の息子がいます。我が家の娘は、2つ下の息子と違い、小さいころから物怖じしないタイプでした。習い事のダンスで舞台に上がるようなことがあっても緊張しません。息子のように「トイレを我慢してしまう」というようなトイレ問題は、幼稚園時代をたどってもほぼありませんでした。
しかし、そんな娘でも、小学校に上がってから気になることがひとつありました。それは、「時間」です。おなかが痛くて学校でトイレに行くと、出てくるまでの時間がとても長いのです。
小学校低学年の頃は、個性ゆえに抱えていた問題も色々あり、授業を避けたい気持ちからトイレに逃げているのかな?と思っていたのです。しかし、中学年高学年になっても同じことが続きました。私自身、これは教室から逃げたい気持ちだけではないのかもしれないと考えるようになりました。
高学年になっていくと、家でもトイレから出てこないことが頻繁になってきました。
そこで、娘と話してみることに。”以前はおなかが痛くなればウンチが出ていたが、今はおなかが痛くても出なくてつらい”という話をしてくれました。
今、娘は小学校6年生。小学5年生あたりから、ぐんぐん身長も伸び、成長痛で足が痛いほど、1年で10センチは伸びています。あともう少しで私の身長も抜かされそうです。成長痛も原因のひとつかもしれません。
病院で診断、結果は、、、
娘も病院で診てもらうことにしました。先生には、学校でトイレに行くとなかなか出てこない、最近腹痛もあることなどを娘自身から説明しました。
前回のコラムで取りあげた息子の便秘・吐き気問題で病院に行った時のことでした。お腹のウンチがそうとう溜まっていた息子はレントゲンを撮りましたが、娘は触診で腸のあたりに触れ、「ここにウンチいるね」と、便秘があることが判明しました。
便秘解消のために、子供のくらしを分析
トイレからなかなか出てこられなかったのは、便秘のせいだったのかと少し安心しました。そこで、低学年頃はきちんと出ていたものがなぜでなくなったのか?と分析してみました。生活分析は、親にしかしてあげられないことでもあります。
食生活から見えてきたこと
まず、「食生活」を分析してみました。
身長が成長しているのに、食べる量が増えていません。朝も昼も夜もきちんと食べていますが、食べる量は少なくなっているように思います。
身長に比べ、食べる量が減れば、出るものも出ないのは当然なのかもしれません。
また、野菜は好きなのできちんと食べてくれますが、ご飯はたくさん食べず、パンやパスタの方が好きなようです。ただ、これも便秘を引き起こしている要因になっているように感じられます。
私は薬膳アドバイザーでもありますが、中医学的にみると、パンやパスタの原料になる小麦は、外に出すものを止める効能を持っているので、下痢などの時に取るといいとされています。ですから、逆にたくさんとることで、便秘要因のひとつになっている可能性があります。
子供の活動や、学校の環境から見えてきたこと
次に、「活動」について、分析します。
絵を描くことが大好きな娘。宿題を終わらせると絵を描き続けます。習い事に行った後も絵を描いています。娘の中であっという間に時間が過ぎてしまうようで、観察すると、少しずつ寝る時間が短くなっていました。生活のリズムが崩れると便秘になりやすいといわれます。これも娘の便秘の要因のひとつになりそうです。
そして、「学校の環境」についても、変化がありました。
高学年になってからストレスを抱えることも多くなっています。ストレスは腸内環境にも影響してくるので、このストレスも便秘の要因なのかもしれません。
また、コロナ禍になり、学校の給水機が使用禁止になりました。そのため、自分の水筒を持参して登校します。もちろん給食の時間に飲み物は出てきますが、それ以外に飲みたい子は自分の水筒から。娘は水を飲まなくても大丈夫と思っているらしく、水筒を持参しないこともあります。体の中の水分不足も、便秘の要因の一つかもしれません。
中医学的に考えても、体が乾燥することが気管に影響して、咳やのどに来ることもあります。その結果、大腸にも影響して便秘になることも考えられます。というのも、中医学では、乾燥に弱い臓器「肺」は「大腸」と兄弟関係。水分を摂らないことが大腸の働きにも影響を与えているといえます。
観察と分析から、色々と、便秘の要因が見えてきました。
親子での「ウンチ・トーク」をくらしの中に取り入れて
その後、娘とは、継続的に話をしながら、解消法を提案したりしています。
たとえば、絵が好きで描くのはいいが、寝る時間は確保すること。お米は苦手といわずに、きちんと食べること。そして、水分をよくとること。体を動かしてストレス解消をしたり、学校以外のお友達と話すなど、いつもと違う環境でストレスを解消することも大切です。ですので、体調が悪いとき以外は、習い事のダンスにも、きちんと行くように伝えています。
先日、KOSMOSTの「発酵ダイアログ」の中で、オリンピックの自転車競技で銀メダルをとった梶原悠未さんのお母さんである、梶原有里さんのお話を伺いました。やはり、娘さんが小さい頃から、くらしの中の小さな変化に気づくことを心掛けてこられたそうです。そして、ウンチのことは、形や色なども含めて、親子で話題にしてきたとのこと。
親子でウンチの話をきちんとできることは、よい親子コミュニケーションだなと感じている今日この頃です。今、娘に提案している改善点について、どれだけの効果が出てくるのかこれからも見守っていこうと思います。
みなさんも、お子さんやご家族とのウンチ・トークを、ぜひくらしに取り入れてみてください。
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子供のウンチ問題②:小学生のトイレ事情、どう解決?
子供のウンチ問題③:便秘によって吐き気も?!
子供のウンチ問題④:トイレが長い?親子でトークし、便秘を解消 (現在の記事)
子供のウンチ問題⑤:「姿勢」を見直して便秘解消!よい姿勢のコツ
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